●1年目 看護のポイント番外編:新人お助けグッズ★ 新人ナースの星
クモ膜下出血で危篤状態の患者さん。ご家族はDNRを希望し看取り目的で入院でした。しかし話をすると、どうしたら助かるのかと必死に聞かれ、「さっきまで一緒に笑いあってお散歩をしていたのです」ああそうか、と思いました。今はもう喋ることもないのだとすぐに受け入れられるはずがない。私たち看護師にできることは、ご家族の祈る気持ちを理解し、ご家族と患者さんが身体的な接触を持ち、語りかけることができるよう支援すること。だから私は「声をかけてあげてください。聞こえていますから。手を握ってあげてください。伝わっていますから。」とご家族に伝えたいのです。
自宅退院を目指す患者さまの退院支援に関わった際、ご家族のサポートやそのご夫婦の絆に感動を覚え、そのことがきっかけで患者さまとそのご家族への関わり方が変わりました。自宅に帰りたいと思う患者さまやそれを一緒に叶えようとする家族の思いに、手助けしたい、協力したいと考え、よく話す事を心がけたり、相手の事を知ろうと思うようになりました。また、入院時から患者さまは退院後、在宅になるのか、希望は何か?と気にできるようになりました。
その患者さんは咽頭癌で既往の呼吸器疾患の悪化があり、食事摂取が難しい状態に。そんな時も「ご飯がたべたい」という本人の意思を尊重し食事介助を行いました。お刺身を2口程食べて、嬉しそうに笑っていました。それが最期の食事となり、数日後に亡くなられました。私はその方にちゃんと関わる事が出来ていたのか不安が残りました。その時同室だった患者さんから、「大丈夫ですか。なにかあれば言ってくださいね」と言った私の言葉にとても嬉しがっていたと聞きました。それを聞き、涙が止まりませんでした。普段何気ない関わりの中で患者さんに伝わっているものがあるのだと実感しました。
学生の時に大好きだった祖母を亡くし、看護師さんの好意でエンゼルケアに一緒に参加させてもらいました。見舞いに行く事すら出来ず後悔ばかりでしたが少し気持ちが楽になったのを今でも覚えています。私の職場は終末期の患者さまを看取ることも多々あります。最期を迎える際のエンゼルケアは出来る限りご家族に参加してもらい「ありがとう」「頑張ったね」など声をかけながら患者さまに触れることには大きな意味があると思っています。自分だったら…自分の家族だったら…と思い看護が出来るようになった今、一つ一つの関わりが大事に出来るようになりました。
私が初めて協立総合病院に来たのは、高校3年生の時です。
一日看護師体験の企画に参加し、きれいな建物、スタッフ同士の雰囲気の良さに驚きました。患者さんとの関係性も温かさを感じ、就職するならこの病院だと決め、大学入学と同時に奨学生となりました。
実際に働き始め、優しく的確なアドバイスを下さる先輩方、親しみやすく声をかけてくれる医師たちに囲まれています。退院した患者さんが病棟に遊びに来てくれることもあり、この仕事を選んで良かったなと思える瞬間です。
忙しいときもありますが、毎日楽しく働いています。